ぷろろーぐかもしれない  正直、何の取り柄もない人間だと思ってる。のんべんだらりと生きている。  仕事には行ってるけどパートだし、仕事に燃えるつもりもない。  イイ歳して独身だし、彼氏もイナイ。ていうか、面倒。作るつもりもない。  元々出不精なんで休日もどこかへ出かける事なんてほとんどない。だらだらと過ごす日々。  そんなわたしにも、実は熱中しているものがある。  それが乙女ゲー。  イイ歳した結婚もしてない彼氏もいないオンナ……というか、オバサンがそんなものにハマってるだ なんて、恥ずかしくてあまり人に知られたくないんだけど、夢に見るほどハマってる。  まあ元々ヲタ系のヒトだし寂しいヒトだしーって自虐めいた事も考えないでもないけど、好きなものは しょうがない。好きなんだもの。  そうしてお休みの日のほとんどは、ゴロンと横になって携帯ゲーム機と睨めっこ。ああ、また目が 悪くなりそう。  もちろん仕事のある日も寝る前に乙女ゲー。  大好きな彼に会うために夜更かしをしてしまう日もしばしば。  そうして今夜もいつものように携帯ゲーム機を眺めていたんだけど。  くらり。  突然、頭がゆらいだ。  やばいな、最近気になる新作が山程出て積んじゃってるから、毎晩夜更かししすぎちゃった?  若い頃と違ってもう無理は利かないんだから、徹夜も程々にしないと。  次のキリのイイところでセーブして寝よう。続きはまた明日。  そう思いつつ、つい○ボタンを押して続きを読む。  するとさっきよりも酷く、ぐらりと頭の中が傾いだ。  あ、と思った時には目の前が真っ暗になって、一瞬フワリと浮いた後、落ちて行く様なあの気持ち悪い 感覚に襲われた。  実際はベッドの上で寝ころんでゲームをしてたんだから落ちてる訳じゃないんだけど。  こんな風に気を失うまでゲームするなんてバカだねーなんて思いつつ、でもこのまま落ちたら大好きな カレの夢をそのまま見れるかもー、なんてやっぱりバカな事考えてみたりして。  そんな事を一瞬の内に考えながら、わたしは気を失った。

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